
カプセル拘縮は、シリコンバッグ豊胸術の合併症に一つです。シリコンバッグは害のないものですが、身体にとっては異物になります。そのため、身体を守るための反応として、まずシリコンバッグを体外に押し出そうとします。ところが、体内の奥深くに挿入されていて押し出すことができないため、今度は繊維でできた膜でシリコンバッグをカプセルのように包んで閉じ込めようとします。
この被膜が薄ければ問題ないのですが、厚くなって固くなり、シリコンバッグを変形させながら小さく閉じ込めた状態がカプセル拘縮です。放置しておくと、見た目にも拘縮がはっきりわかるようになります。カプセル拘縮は、手術中や術後の出血が多かった場合や、挿入時に細菌感染や炎症があった場合に、起こりやすいとされています。また、被膜が覆ってしまう前にバッグを定期的に動かせば被膜が破壊されるため、術後のマッサージはカプセル拘縮の予防になります。
シリコンバッグの表面がザラザラしているタイプは、被膜ができにくく、カプセル拘縮の予防になります。超音波の照射や拘縮を予防する内服薬の服用などの予防対策もあります。しかしながら、これらの予防対策を行っても、カプセル拘縮を起こす可能性はあり、その場合にはバッグを除去してカプセルも取り除きます。シリコンバッグ除去後は、新たなバッグを挿入するか、別の豊胸術を行うことも検討します。
脂肪注入豊胸は、シリコンバッグの除去と同時に施術が可能です。
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